健康的な生活を送るうえで、「基礎代謝(BMR)」と「必要エネルギー量」を理解することはとても重要。特に、ダイエットや増量を考えている人にとっては、自分の消費カロリーを把握することが、適切な食事管理やトレーニングの計画につながります。本記事では、それぞれの計算方法について詳しく解説していきます。

1. 基礎代謝とは?
基礎代謝(BMR:Basal Metabolic Rate) とは、何もせずにじっとしていても消費されるエネルギー量のことです。心臓を動かしたり、呼吸をしたり、体温を維持したりするために必要なエネルギーであり、一日の消費エネルギーの約60~70%を占めています。
基礎代謝の計算方法
基礎代謝量を求める方法はいくつかありますが、一般的に「ハリス・ベネディクト方程式」や 「ミフリン・セントジョール方程式」 が用いられます。
① ハリス・ベネディクト方程式
この方法は、性別・年齢・体重・身長を基に計算します。
男性の場合
【 BMR=66.5+(13.75×体重kg )+(5.003×身長cm )ー(6.755×年齢) 】
女性の場合
【 BMR=655.1+(9.563×体重kg )+(1.850×身長cm )ー(4.676×年齢) 】
例えば、30歳・体重50kg・身長158cmの女性の場合、ハリス・ベネディクト方程式を使うと
BMR=655.1+(9.563×50 )+(1.850×158)ー(4.676×30)=1285.27Kcal
となります。
② ミフリン・セントジョール方程式
より近年の研究を基にした計算式で、精度が高いとされています。
男性の場合
【 BMR=(10×体重kg )+(6.25×身長cm )ー(5×年齢)+5 】
女性の場合
【 BMR=(10×体重kg )+(6.25×身長cm )ー(5×年齢)ー161 】
例えば、30歳・体重70kg・身長175cmの男性の場合、ミフリン・セントジョール方程式を使うと
BMR=(10×70)+(6.25×175)ー(5×30)+5=1665Kcal
となります。
2. 必要エネルギー量とは?
必要エネルギー量(TDEE:Total Daily Energy Expenditure) は、一日に消費する総カロリーのことです。基礎代謝に加え、活動量や運動量を考慮して求めます。
必要エネルギー量の計算方法
基礎代謝量(BMR)に、活動レベル(PAL:Physical Activity Level)を掛けることで求められます。
活動レベル | 内容 | 係数 |
---|---|---|
低い | ほぼ運動しない | 1.2 |
普通 | 週1~3回の軽い運動 | 1.375 |
やや高い | 週3~5回の中程度の運動 | 1.55 |
高い | 週6~7回の激しい運動 | 1.725 |
非常に高い | 毎日激しい運動や肉体労働 | 1.9 |
具体例
先ほどの30歳・体重70kg・身長175cmの男性、基礎代謝 1665Kcal (上記の計算)が、週3~5回の中程度【やや高い】の運動をしている場合(係数1.55)
1665Kcal×1.55=2580.75Kcal
この約2580kcalが、この人が一日に消費する総エネルギー量となります。
3. 目的別のカロリー調整
減量(ダイエット)
ダイエットをする場合、必要エネルギー量(TDEE )よりも摂取カロリーを抑える 必要があります。
- 1kgの脂肪を減らすには約7,200kcalの消費が必要
- 1日500kcal減らすと、1週間で500×7=3500Kcal減らすので、7200Kcalの約半分で、約0.5kgの減量が可能
このため、先ほどの例の男性がダイエットをするなら
2580−500=2080Kcal このカロリーで1週間過ごすと0.5kgの減量
が目安になります。
増量(筋肉をつける)
筋肉をつけたい場合は、必要エネルギー量(TDEE )よりも摂取カロリーを増やす 必要があります。
- 1日300~500kcal増やすと、筋肉を増やしながら体重を増やせる
このため、先ほどの例の男性が筋肉をつけたい場合は
2580+300〜500=2880〜3080Kcal
が目安となります。

4. まとめ
- 基礎代謝(BMR) は生命維持に必要な最低限のエネルギー
- 必要エネルギー量(TDEE) はBMRに活動量を加えた消費カロリー
- ダイエットは必要エネルギー量より少なく、筋肥大は必要エネルギー量より多く摂取
自分の基礎代謝と必要エネルギー量を把握することで、ダイエットや筋トレの成果を最大限に引き出すことができます。ぜひ活用してみてください!
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